38.0~39.0℃くらいが平均
ワンちゃんの平熱は何度か知っていますか?人間(日本人:10歳~50歳)の平熱の平均体温は36.89℃です。もちろん個人差はありますが、約7割の人が健康な体温と言われる36.5℃~37.2℃の範囲に収まるとされています。ワンちゃんの場合の平熱は人間よりも高く、38.0~39.0℃くらいが平均とされています。逆に高齢の子だと37℃台が平熱ということもあります。
体温が39.5℃以上なら高め、40.0℃を超えると発熱
ただし、ワンちゃんの平熱は犬種や年齢などによって異なりますし、運動後や興奮しているときなどは体温が上がりやすくなっています。そのため、39.0℃より体温が高いからといって必ずしも発熱しているわけではありません。一般的には39.5℃を超えると熱が高め、40.0℃を超えると発熱とされています。
私たち人間も熱が出た時は頭がぼうっとする、体がだるくなるなどの症状から熱っぽさを感じます。ワンちゃんも人間と同じで「体が熱い」「元気や食欲がなくなる」「ぐったりする」「呼吸が速い」などの症状が見られます。これらの症状は発熱のサインとなりますので、気づいた段階で病院に行くことをおすすめします。
また、発熱の原因としては、熱中症、細菌やウイルスなどの感染症、悪性腫瘍、特発性多発性関節炎などさまざまな病気が考えられます。感染症の中でも「避妊手術をしていないメス犬に多く見られる子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)」と「犬パルボウイルス感染症」は一刻を争うため、発熱が疑われる場合はすぐに動物病院を受診してください。
応急処置はどうしたらいいですか?
家でできる発熱時の応急処置としては、ワンちゃんの火照った体を冷やしてあげることです。脇や首、うち太もも部分には太い血管があります。保冷剤をタオルで包み、内股や首の周りを冷やしてあげたり、体全体を濡らして風を当てたりするなどが挙げられます。愛犬の状態や発熱の原因にもよりますが、一時的な発熱の場合は、しばらく様子を見てあげても大丈夫です。部屋を涼しくしながら、水を飲ませて体温が下がるか見守ってあげてください。
人間用のスポーツドリンクをあげてもいいと聞いたけど本当ですか?
スポーツドリンクは与えても大丈夫ですが注意が必要です。ワンちゃんにとっては糖分が多いので、そのまま飲ませないようにしてください。また、薄めたスポーツドリンクは、あくまで熱中症などの救急時のみ与えるようにして、普段は与えないでください。
注意① 飲ませるときは必ず水で2~3倍に薄めて与えましょう。
注意② キシリトール入りのスポーツドリンクは中毒を起こす危険性があるので、成分表は必ず確認して下さい。
人間用の解熱剤は飲ませても大丈夫ですか?
絶対に与えてはいけません。愛犬が苦しそうにしている様子に耐えられず、人間用の解熱剤を飲ませてどうにか熱を下げてあげたい…と思う飼い主様もいることでしょう。ですが、人間用の薬にはワンちゃんが中毒を起こす成分が含まれている場合がありますので、絶対に与えないでください。動物病院でワンちゃんに合ったお薬を処方いたしますので、発熱が疑われる場合は受診してください。
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